詩人、古布絵作家、絵本作家、そしてアイヌの解放運動家として知られる宇梶静江のドキュメンタリー。 1933年、北海道のアイヌ集落に生まれた宇梶静江は、上京後に結婚して二児を育て、72年には朝日新聞の投稿欄に掲載された「ウタリ(同胞)たちよ手をつなごう」という投稿で反響を呼び、96年にはアイヌ伝統刺繍でアイヌ叙事詩を表現する「古布絵」を創出した。アイヌとして生き、その精神性を問い続けてきた彼女が、90歳を迎えたいま、抱く思いや生き方から得た知恵、そして彼女が編み出した「古布絵」や詩作などを通して、民族のアイデンティティーや共生への光、アイヌの精神と魂の原点を探っていく。 ナレーションを宇梶静江の息子で俳優の宇梶剛士が担当。監督は、「花の億土へ」「ロスト マンチュリア サマン」などのドキュメンタリー手がけてきた金大偉。